鹿島槍ヶ岳・五竜岳縦走

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登山日:7月1(木)〜7月2日(金) 参加者:秋山・山出・湯殿
地図行程:7月1日
柏原新道入口4:27〜八ツ見ベンチ5:04〜ケルン5:23〜一枚岩6:01〜石畳6:20〜種池山荘7:37〜爺ヶ岳8:42〜赤岩尾根分岐9:31〜冷池山荘9:50〜布引山11:11〜鹿島槍ヶ岳南峰12:31〜鹿島槍ヶ岳北峰13:25〜14:46キレット小屋
7月2日
キレット小屋5:55〜口の沢のコル6:46〜北尾根7:12〜五竜岳9:04〜10:00五竜山荘10:21〜西遠見11:24〜大遠見11:50〜中遠見12:33〜13:56地蔵の頭リフト
記事
 夏山シーズン開幕ということで、秋山氏の希望により鹿島槍ヶ岳と五竜岳の縦走をしました。
 自家用車は柏原新道入口に駐車し、白馬安全代行様に五竜ゴンドラ駅まで回送してもらいました(7000円)。
 天候に恵まれ、終日剣岳方面を見ることができました。登山道には若干の雪渓が残っていますが、アイゼンを必要とするところはありません。
 梅雨中につき、登山者の数は少なく、快適な山行でした。
 
出典:国土地理院発行数値地図200000(地図画像)を加工して使用しました。
GPSデータですが、扇沢附近が樹林のためデータが乱れていることと、爺が岳より赤岩尾根分岐まで電源切れのため強制的につなげてあります。GPSデータ
柏原新道入口柏原新道入口

 いつも車の回送には悩んでいたのですが、今回は白馬安全代行様にお願いし、下山口の五竜ゴンドラまで回送してもらいました。
 登山道は整備されており、歩きやすくなっています。登山道脇にはゴゼンタチバナやツマトリソウの花が満開で迎えてくれます。
針ノ木岳針ノ木岳

 登山道を振り返ると、針ノ木岳がよく見えます。途中2箇所で雪渓を横断しますが、ステップが切ってあり、アイゼンを装着する必要はありません。
 サンカヨウ、シラネアオイ、ベニバナイチゴ、オオバキスミレの花が多くなります。ノウゴウイチゴもはじめて見ました。種池山荘は、登り始めてすぐに確認できますが、なかなか近づきません。7時10分過ぎに、女性単独登山者が下っていきました。樹林を抜けると間もなく種池山荘に到着です。
種池山荘から爺が岳種池山荘から爺が岳

 山荘左手にある、種池には水芭蕉が咲いていました。朝食をとった後、山荘で定番の山バッジを購入し、爺が岳に向かいます。山荘のすぐ先に雪渓がありますが、問題なく通過できます。
剣岳剣岳

 山荘から少し上がると展望がよくなります。剣岳の雄姿がとても素晴らしい。登山道には絵描きが2名鹿島槍方面に向かって絵筆を滑らしていました。
 ミヤマダイコンソウの花が多くなります。
爺が岳山頂爺が岳山頂

 湯殿は爺が岳には3回登っているとのことです。後から若い男性が猛迫してきました。前方からは年配の方が背負子にザックと段ボール箱をつけて登ってきます。
 爺が岳の下りで、イワウメの花が満開でした。
鹿島槍ヶ岳全容鹿島槍ヶ岳全容

 日差しが強く、ばててきたので赤岩尾根分岐で休息です。前方から来た男性登山者が赤岩尾根へ向けて下っていきました。一旦下った後、少し登ると冷池山荘に到着です。山荘は現在改修中で宿泊の営業はしておりませんでした。この頃になると長野県側から雲がかかってきました。赤岩尾根手前にハクサンチドリが咲いていました。
布引山布引山

 体がヒートアップしてきたので、登山道脇の残雪でカキ氷を作ります(結構不純物があるのは覚悟の上です)。日差しが強くなり登りに弱い秋山氏はペースダウンです(写真の通りガックリ)。再びカキ氷でクールダウンです。
 登山道脇の花もハクサンイチゲが多くなります。シナノキンバイは少ないです。
鹿島槍ヶ岳(南峰)鹿島槍ヶ岳(南峰)

 登山道脇にはハクサンイチゲのお花畑が広がります。爺が岳の先で我々を抜いた男性が下山してきたのを最初に種池山荘に宿泊した男性、唐松岳頂上山荘出の2名の男性が下っていきました。
 長野県側は雲の中で、富山県側しか視界が利きません。山頂から本日宿泊するキレット小屋が確認できます。
 山頂で昼食後、お疲れモードの山出は鹿島槍ヶ岳北峰は断念したいところでしたが、秋山氏湯殿は登りたいとのことなので渋々従いました。
 登山道は先ほどまでとは一変し荒々しい歩きづらい道となります。北峰までにタカネヤハズハハコ・タカネシオガマが咲いていました。
キレットキレット

 登山道はザレ状態で、歩くのに気を使います。皆さんバテバテ状態で足取りも重くなっています。GPSで小屋までの距離がわかると以外にも近いので元気が出てきます。鎖がでてくると本日のクライマックスのキレットに到着です。キレット内部は涼しく熱い体には快適です。
キレット小屋キレット小屋1

 キレットを通過し、梯子を上り少し横にずれると眼下にキレット小屋が現れます。睡眠時間が少なく、疲れていましたがほとんど予定通りの行程でした。
 小屋は我々を含めて5名の宿泊者でした。
 まだ、営業したてなのか、布団は湿っているし、カーテンも無い状態でした。
 それにしても山バッジが350円とは恐れ入りました。小屋からの眺めは富山県側に開けているので夕日が沈むのはよく見えます。夕食はギンダラ?の煮た物と焼きナス、エビフライが3匹、レタスのドレッシングかけとポテトサラダに味噌汁です。
キレット小屋全容キレット小屋全容

 早朝、小屋の裏から高台に上りましたが、長野県側は雲海の下でした。朝食は5時30分からで、納豆と焼きハムと玉子焼きと味噌汁です。
 水場は無いので、水は貴重です。
梯子梯子

 五竜岳まで4時間の危険地帯の通過です。昨日、鹿島槍ヶ岳山頂からキレット、五竜方面を眺めると、キレット小屋の位置は鹿島槍ヶ岳に相当寄った位置にあります。写真の通りしっかりした岩場は通過しやすいですが、ザレ場は足元が不安定になりますので相当気遣います。
 途中チシマギキョウがありましたが、残念ながら花は開いていませんでした。この付近にはタカネスミレが多くあります。
口の沢のコル口の沢のコル

 キレット〜五竜岳間の最低部です。以前通過したときは霧の中でわかりませんでした。通過するまでの想像ですが、相当な狭隘な箇所だと思っておりましたが、結構開けた明るい場所です。テントを張った跡もあります。
 同宿の方が、ここで水が切れてしまい、他の方から水を分けてもらいようやく小屋に到着したそうです。
 このコースには途中水場が無いので水は十分確保しておきましょう。
ザレ場ザレ場

 北尾根の頭を通過してしばらくするとザレ場があります。我々にとってはこのコースで一番の難所でした。登山道が崩れており、足がかりが無く足を乗せるとズルズルと滑り落ちてしまいます。
五竜岳全容五竜岳全容

 登山道は写真中央の黒い部分を通っています。
 五竜岳手前にウルップソウの群落があります。イワベンケイも多くあります。いままで、登山道は富山県側についていたので日陰となり快適でしたが、稜線上になると直射日光をもろに受け体温も上昇してきます。
鎖場鎖場

 五竜岳の登りは岩場が多く、ホールドもしっかりしているので短時間で高度を稼ぐことができます。
 オダマキ、オヤマノエンドウが咲いています。
キレット全容キレット全容

 距離は長いが、高低差があまり無いのでそれほど苦労は無いと思います。途中で登山者と会うかと思いましたが、誰もいませんでした。
 後で確認しましたが、稜線上から仙人池ヒュッテが見えます(望遠で)。
五竜岳山頂五竜岳山頂

 富山県側がよく見えました。
 この頃は、湯殿も元気で五竜山荘でビールと缶チュウハイで乾杯です。
 稜線に別れを告げ、遠見尾根を下山していきますが、白岳頂上直下で湯殿が転倒、原爆落しを食らい尾てい骨を強打してしまいました。ミヤマアズマギクが咲いていましたが、苦痛でうわの空のようです。
西遠見西遠見

 西遠見の池はまだ雪のしたでした。以前逆コースで登ったときは、池の脇で完全にグロッキーしてしまい、老人にまで抜かれてしまった思い出があります。
 今回ここで初めて登りの登山者3名と会いました。今日は唐松まで行くそうです。
 湯殿は完全に亀になってしまい当初の予定では午後1時に地蔵の頭に到着予定でしたが、この状況では午後3時も覚悟しました。日差しがガンガン強くなり、体力も消耗してきます。標高が低くなってくると、ツマトリソウやゴゼンタチバナが再び姿を現します。
ゴールゴール

 午後2時前にようやくゴールです。小遠見でハイカーにまで抜かれてしまいました。それにしても遠見尾根はアップダウンが多く体力の消耗が激しくなります。地蔵の頭にはニッコウキスゲが咲いていました。
 今回は天気に恵まれ、また花の多いたのしい山行となりました。このコースは通常2泊3日ということですが、1泊2日でも少人数のグループであればそれほど難しいコースでは無いと思います。
 7月中旬に冷池山荘もオープンしますので体力に応じて途中の山小屋に泊ればよいと思います。
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