荒川岳・赤石岳2日目

indexへ
平成17年山行報告へ
荒川岳・赤石岳1日目へ
荒川岳・赤石岳3日目へ
実施日:8月20(土) 参加者:A氏・山出・湯殿
行程:千枚小屋3:50〜4:36千枚岳4:55〜丸山5:43〜悪沢岳6:15〜中岳7:44〜9:07荒川小屋9:21〜大聖寺平9:58〜11:19小赤石岳11:36〜12:05赤石岳12:20〜14:20富士見平14:23〜15:00赤石小屋

 今日は10時間の長躯なので、少しでも早く出発ということで、朝食は弁当にしてもらった。満月なので結構明るく、富士山も見ることができた。他の方はほとんど出てこず登り方面の方は荒川小屋泊まりなのであろうか。千枚小屋から千枚岳までは危険な場所も無いので暗い中出発する。露がズボンを濡らすがあまり冷たさは感じない。樹林帯を抜けると風が吹いている。私は寒さに強いが他の者は弱いようでヤッケやフリースを着用している。悪沢岳斜面の登山者のライトが数個確認できる。千枚岳山頂はまだ真っ暗であるが、富士山は確認できる。5合目あたりに明かりも見える。ご来光を見るため、予定を変更してここで朝食とする。東の空が赤くなってきて、富士山もきれいに見える。悪沢岳は確認できるが、赤石岳は雲の中である。千枚岳から一旦下り、丸山への登りにとりかかる。A氏は今日も体調が良くないようだ。悪沢岳から団体が下山してくるのが見える。多分、中岳避難小屋泊なのであろう。湯殿は先行し、団体より先に丸山に到着する。下から見ていると写真を撮ってやっているようである。皆さん雨具を着て寒さ対策をしており、薄着でいるのは私ぐらいである。

 丸山から悪沢岳への登りは岩場である。転落の危険は無いが、岩の間に足を落とすと大変である。湯殿は今日も元気である。悪沢岳山頂でも女性の単独登山者に写真を撮ってやっていた。悪沢岳からはこれから登る中岳が良く見える。残念ながら赤石岳はまだ雲の中である。また、南アルプス北部の山々も雲の中で遠望が利かない。悪沢岳頂上から中岳方面を見る限りそれほどの落差は無いように見えるが、下っていくと結構な標高差である。鞍部を過ぎると若い単独登山者が一気に私たち二人を抜いていった。湯殿はずっと先に先行しており、中岳までは抜かれる心配はなさそうである。

A氏の状態はあまり良くなく、標準タイムをオーバーする状況であった。荒川三山は悪沢岳(東岳)、中岳、前岳を指しているが、荒川小屋への分岐は前岳の手前にあり、前岳まで足を延ばした場合赤石小屋の到着が大幅に遅れる恐れがあったため、湯殿だけ前岳に行かせた。A氏が中岳に到着した頃、湯殿は前岳に到着しており、望遠カメラを使って山頂にいる湯殿を撮影した。我々が分岐に到着すると同時に湯殿が前岳から下山してきた。

 荒川小屋への下りは花が沢山咲いている。前方よりワンゲル部らしき団体が賑やかに登ってくる。トップは異常に元気であったが、セカンドにいる女性はだいぶ参っているようだ。荒川小屋での休息時間を短縮するため、山出が先行し紅茶の準備をすることにした。足のダメージは全く無く、先行する登山者を追い抜き荒川小屋に到着した。荒川小屋の水場は、旧荒川小屋の近くにあり汲みに行く必要がある。水場は水道形式となっており、蛇口が4つほどある。水を汲んで戻ると湯殿が到着していた。

千枚岳より富士山 悪沢岳(東岳) 荒川中岳と避難小屋 荒川小屋
千枚岳より富士山 悪沢岳(東岳) 荒川中岳と避難小屋 荒川小屋

 お湯を沸かしていると、A氏が到着。せっかくなのでスイカを食べようと思ったら既に売り切れていた。20分ほど休憩して、大聖寺平に向かう。記憶ではそのまま斜面をトラバースしていたような気がしたが、最初は登りであった。それでも登りはそうは続かなく、トラバース道となると快適な山歩きとなる。後を見ると、荒川岳からの下りに数人が見える。大聖寺平方面は雲の中で時々広河原小屋への分岐が見える。分岐に到着すると、赤石岳よりワンゲル部が下りてきた。ここも女性部員が一人のようである。

 分岐を出発するとあとは小赤石岳山頂まで登りの連続である。再び湯殿に先行してもらう。ところが、湯殿の進む方向と先行者の登る方向が違うように見える。先行者のほうが正しそうな感じがするので湯殿に確認を求めると、緑の印がついているとのこと。少し進むと先行者の進んでいる方向には赤の×印がつけてあった。登りからは広河原小屋方面の河原が時々姿を現す。赤石岳方面は相変わらず雲の中である。

ここで、重大なミスを発見した。登山計画では千枚小屋を5時に出発であったが、1時間早く出てるため余裕を持って行動していると思っていた。ところが、登山計画書を再確認したところ荒川小屋の到着時刻が40分誤っており荒川小屋の時点で既に20分遅れていることが判明した。現在の状況を考えると赤石岳避難小屋での宿泊も選択肢の一つに入れなければならない状況であると判断した。ただし、現在までに抜かれた登山者は1名だけであり、千枚小屋で赤石小屋方面に向かう登山者がまだ大聖寺平へ到着していないところを見ると、若干の余裕があるとも思える。先ずはなるべく早く小赤石岳まで登ることである。小赤石山頂付近も雲の中であり、どれが山頂なのかわからない。山頂だと思ったところがまだだいぶ手前であることがわかりがっくりする。大聖寺平に麦藁帽子をかぶった単独登山者と二組のパーティー現れた。湯殿は間違った場所を歩いていた先行者に道を教えたらしく、一緒に歩いている。途中から山出も先行することにし、小赤石岳まで速攻をかける。山頂に着きしばらくすると秋山氏も到着。シャリばてとのことで、赤石小屋分岐で昼食の予定であったがここで昼食にすることにした。先ほど大聖寺平に見えた麦藁帽子の登山者がもう小赤石岳に現れた、結構年配のようであるが健脚である。

昼食後、分岐まで歩きここから山出のセカンドザックに貴重品を入れ赤石岳山頂に向かう。ここから山出の
GPSのナビ機能を使い、残りの距離を確認しながら登っていく。荷物が少なくなったせいか歩く速さも早くなる。思ったより早く赤石岳山頂に到着。GPSと標高の差が5m位あった。赤石岳の標柱は他の場所と違い赤い字で書かれていた。また、ここの三角点は日本で一番高いところにある一等三角点である。GPSをいじっていると、先ほどの麦藁帽子の方が興味深く質問してきたので適当に答えた。今考えればナビ機能もついていると言ってあげれば購入したかもしれない。山頂からは避難小屋が見えるが、10年前は確か壊れてなかったような記憶がある。体力の限界が近いので避難小屋はパスし、赤石小屋に向けて下山を開始する。下山路には2パーティーが下山しているのが確認できた。

 赤石小屋への下山路は最初は急降下である。登山道が沢に一番近づく場所で最後の水の補給をする。この頃からA氏の状態が悪くなり、完全な牛歩である。これから赤石岳に登る方が来ると避けるのも大変なようである。あまりに遅くなりそうなので荷物を預かり先行することにする。ザックを二つ持ったままばく進していくと、突然の降雨である。慌てて合羽を持って引き返すとすぐに止んでしまった。湯殿は既に富士見平に到着したとの連絡があり、こちらは大幅に遅れそうであるのでそのまま小屋に行き受付をしておくよう連絡する。山出も再びA氏を先行し、富士見平に到着する。富士見平にはツエルトを張った怪しげな兄ちゃんが一人いた。湯殿に富士見平に到着した旨を連絡すると、大便をしている人がいなかったかと尋ねてくる。ツエルトの兄ちゃんの横にいたので無線の内容は筒抜けである。湯殿の報告によると、富士見平に着くと下半身丸出しでトイレットペーパーで尻を拭いている最中であったとのこと。荷物は登山道に散らかしてあり、その脇にツエルトを張り、その横で大便をしているとは何とも不思議な人である。ちなみに大便をした場所のすぐ前には陸軍の航空機墜落の碑があった。A氏の状況は改善しない。富士見平から見ていると麦藁帽子が全く動かない。時刻は既に14時30分である。富士見平からは全て下りなので後は安心である。再び山出が先行し、15時に山小屋に到着。湯殿が心配そうな顔をしていた。

A氏の到着はもう少し遅れそうなので荷物を寝る場所まで運び上げておく。A氏は結局15時30分に無事小屋に到着。すぐに睡眠状態に入った。山出はビール、湯殿はケーキセットを食堂でいただき、今日の山行を締めくくった。

 赤石小屋のトイレは転落式トイレである。ポトンと落とすと樋のようなところをコロコロと転がっていき沢に落ちていくという方式である。これは10年前と変わらない。男子用トイレからはこの状況が確認できる。

 夕食はけんちん汁と鮭のフライ、酢の物であったが、A氏は全く食欲が無く、残したものは山出が全部いただいてしまった。湯殿もご飯とけんちん汁をお代わりしていた。食後に外で飲酒をしようとしていたらA氏も登場した。しかし、酒を飲める状態ではなかったので紅茶とコンソメスープを作って飲んでいた。湯殿は缶チューハイが好きであるが残念ながらこの山小屋には無いので焼酎と炭酸ジュースを購入し缶チューハイの代用品とした。湯殿の前に焼酎のワンカップを置いたので周りの方は驚いたことでしょう。山に来て焼酎を飲むすげ−女がいたもんだと。

大聖寺平分岐 小赤石岳 赤石岳 富士見平より赤石岳
大聖寺平分岐 小赤石岳 赤石岳 富士見平より赤石小屋
indexへ
平成17年山行報告へ
荒川岳・赤石岳1日目へ
荒川岳・赤石岳3日目へ